523話の裏話・その2

また日があいての更新になってしまいました!すみません(^^;

なかなか毎週更新ができないものです…。

 

暖かくなったり涼しくなったりの日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

制作室は外より暑いですよ。外が暑い時はもう…非常にむしむししております!

大事な書類が飛ばないようにと、社内では基本的にほとんど窓を開けてはいけないらしいです(×_×)

 

 

 

さて今日は、そんな大事な書類の一つでもある「原画」について書きたいと思います。

いちおう、523話「過去の亡霊」の裏話その2ということで…

まあ、久しぶりになってしまったので簡潔に。

 

 

書類と前置きしつつも、話のメインはずばり「デジタル作画」です!

 

一部の原画さんや制作たちの間で、次世代のアニメ制作の要になっていくのではないかと噂されているデジタル作画。(当社内)

 

アニメ制作において、仕上げ(色塗り)以降の作業をデジタル上で行っているのは有名ですが。

未だ、原画や動画は鉛筆(アナログ)で描いていらっしゃる原画さんが多いと思います。

 

でも中には、それらをパソコン上で描く原画さんも増えているのです!(当社内)

 

 

 

許可をいただいたので、一例ですが、作業工程を公開します。

 

こちらは松本顕吾様のレイアウト(原画の前に描く下書き)です。

デジタル上で作業されています。

冒頭のダルイのシーンですね。

(というか、ダルイに扮した白ゼツだったわけですが…そう考えるとレアな絵かも?)

 

これを演出や作監にチェックしてもらいます。

今回は直に見てもらうので、印刷機でカラープリントしました。

(動いているカットなどは枚数が多いですが、一枚一枚印刷します。ひたすら印刷機にがんばってもらいます…)

 

演出修正です。 (鉛筆描き)

キャラとBGの配置を直しています。

 

作監修正。 (鉛筆描き)

演出の修正に合わせてキャラを描いています。

 

ここまで来たら、原画さんに戻して、原画(清書)作業をしてもらいます。

 

こちらが原画。これも鉛筆描きです。

(このカットの場合は、原画はアナログで作業されていました)

 

 

このあと、

動画さんに間の絵を描いてもらって、

それを仕上げさんにスキャンして色を付けてもらって、

撮影さんに全部を合わせてもらってコチョコチョ~っと処理を入れてもらって…。

 

 

 

完成です!

 

 

 

今の例だと、原画はアナログでしたが、他のカットだとフルデジタル作業もちょっとだけあります。

 

例えばこれらのカット。実は動画・仕上げまで全部データ上です。

けっこう他と違いが分からないものです。

 

 

あとは、このカットなんかは、黒斑差のみフルデジタルです。

(ダルイやゼツ、忍はアナログ作画)

黒斑差の元データはこんな感じ。

こちらも松本様の原画です。色も塗ってくれています。

 

内部のチラチラした処理は撮影さんに入れてもらいます。

 

 

 

こんな風に多様な使われ方をしております。

フルデジタルとなるとまだそう多くありませんが、

制作工程の中にデジタル作画は普通に入ってきている印象です。

でも、デジタルだからといって単純に作画スピードが上がるかというと…

人によりますが、一概に言えないみたいです。

(利点の一つとして、「デジタルだと動いた時にどう見えるかが確認しやすい」というのを以前聞いたことがあります)

 

 

なんだか真面目な話になってしまいましたが、いかがでしたか?

 

もしもこれから先、デジタル作画が増えていくとしたら…

たまにテレビのアニメ特集で公開されるような鉛筆と紙での作画作業風景が、

電子ペンとタブレットに変わるかもしれませんね。

 

 

また機会があれば、作業工程などをお見せできればと思います。

 

データ公開許可をくださった松本様、演出様、作監様、ありがとうございました(^^)

 

 

 

…4月から新しくなるオープニングはデジタル作画が多いらしいです。

鋭意制作中!

 

 

 

制作:赤メガネ