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――それではまず、自己紹介を。

永山たかしです。デビューは二十歳、中学生の役でした(笑)テレビドラマを中心に活動してきて、初めてのミュージカルは『テニスの王子様』です。 この作品をやらせてもらったことによって、ミュージカルに対して僕がそれまで持っていたイメージが大きく変わりました。お客さんと一体になって一つのもの を作る楽しさを知りましたね。それをきっかけに、今は舞台とかライブといった、人前に出るお仕事にも活動の幅が広がってます。この間も、「母・肝っ玉とそ の子供たち」という音楽劇に出演しました。ドイツのブレヒトという作家の作品なんですが、その舞台もすごくいい勉強になりましたね。


2005年夏、ロックミュージカル「BLEACH」を演じられてみて、いかがでしたか?


『BLEACH』は、人と人との関係性、自分が背負っているバックボーン、そういうものがすごく大事になってくる作品だと思います。死神っていう設定ではあるけれど、根本にあるのは人間であって、しっかり芯がある作品だと思います。

――原作の『BLEACH』は以前から知っていましたか?

知ってはいましたが、読んだ事はありませんでした。出演が決まってから全部読んだんですけど、すごく面白いですよね。

――役づくりの上で、難しい部分はありましたか?

それはありますね。特に僕の演じる日番谷冬獅郎は、まだそんなに原作でも描かれていないんですが、人気がすごくあるらしくて、原作ファンの方の中 にそれぞれの日番谷冬獅郎像があるんですね。そのイメージを壊さないように表現するのが、とても難しかった。過去のシーンがもっとたくさん描かれてたら、 もっと演じやすいのだろうけど、手がかりが少なくて。それに僕の周りにいる、イヅルだったり乱菊だったりがいなかったので、人間関係を表現するのも難し かったですね。ただ彼の抱えている何かがあって、それを抑制してて、でも天才で、若くしてのし上がっていった、っていう部分が出せるように考えては演じた つもりです。

――他に難しかった部分はありますか?


藍染役の大口君とも話したんでが、この作品は”ロックミュージカル”なわけですけど、藍染や日番谷って、気持ちを表に出すタイプではないじゃない ですか。特に藍染で言えば、静と動だったら「静」だし、そういった中で”ロック”っていうものをどうやって表現するのかっていうのがありましたね。だか ら、いかに個々が”ロック”というものを意識できるのか、体の中に感じてやれるかっていうところが、大事だったと思うし、難しいところでした。

――永山さんにとっての”ロック”とは?


この作品で言えば、やっぱり意志ですね。魂というか。”その歌を歌う”という意志だったり、”歌詞の中にあるものを感じる”っていう意志だった り、そういうものをちゃんと伝えようっていうのは僕の中にもあったし、大口君の中にもあったし、みんなそう感じながら演じていたと思う。

――日番谷と永山さんとの共通点はありますか?

うーん…身長くらいですかね(笑)周りのみんなが大きいから舞台に立つと小さく見えるみたいで。「ほんとに133センチに見えたよ」って言われま した。それはさすがに…と思いましたけど(笑)でも嬉しかったですね、自分としても袴で足がみえないので、膝をかがめてたりとか、開くようにしていたりと か、背が小さく見える工夫をしてはいたので。

――カツラも似合っていましたが。

カツラは評判良かったですね。前回の夏公演は、僕ほかの撮影の関係で、日焼けしてたんですよ。だから髪が白で、顔が黒っていう、普通とは逆の状態で(笑)でもだいぶ肌の色も落ちてきたので、そういう意味でもまた役に近づけるかな。

――『BLEACH』の魅力とは?

まず、なんと言ってもスタイリッシュですよね。キャラクターがすごく魅力的で、一人一人が自分と重ねられたり、憧れたりできる。なんか、かっこ悪 い奴が出てこないですよね。みんな、なんかこう…ダサくてもかっこ良いい。久保先生の世界観だと思うんですけど、セリフの一つ一つにしても、とにかくかっ こ良いんですよ。もう、作品全体が。たぶんそれが魅力なんだと思います。

――個人的に好きなキャラクターは?


やっぱり冬獅郎かなぁ。あとは、ちょっとしか出てないですけど海燕とか。生き様がかっこ良いですね。

――前回の公演で印象に残った出来事は?

印象に残ったというか…とにかく楽しい現場でしたね。みんな仲が良かったんで。カンパニーに恵まれてて、稽古場に行くのが楽しかった。虚(ホロ ウ)役のみんなも、舞台ではアンサンブルで一括りにされてますけど、実際本人達はそれぞれすごくキャラが強くて(笑)ホントに面白いやつらばっかりで、毎 日稽古行くのが楽しみでしたね。あと本番前、楽屋でみんな無駄にテンションが高くて歌とか歌ってましたね(笑)かなりうるさかったな、楽屋。

――歌といえば、永山さんは最近、ライブ活動も始められてますが。

はい、歌は小さい頃から好きだったんですけど、本気でやろうとは思ってなくて、たまたまいい出会いがありまして、じゃあやろうかって軽いノリで。 今は新しい表現方法が見つかったって感じでうれしいですね。あと歌をやって「言葉」を伝えるということの大切さが改めてわかった気がするし、芝居の幅も広 がったかなって思います。

――冬公演の永山さん自身のパワーアップポイントがあれば教えてください。

前回、初日から千秋楽にむけて試行錯誤しながら芝居が変わっていったという反省点があるので、今回こそは一本スジの通った冬獅郎を演じたいですね。あと今回は舞台が広くなるので立ち回りも大きくなるし、前回よりも言葉をちゃんと伝えられたらいいと思いますね。

――原作ファンの方へメッセージを。

原作ファンの人たちは当然作品への思い入れがすごく強いはずだから、それを壊さないというか、これだったらありだなと思ってもらえるものを作って いきたいなと思います。特に冬獅郎を演じるにあたって、そういう重責みたいなものを感じますね。原作ファンの方を失望させたくないですからね。これこそ冬 獅郎だって言われたいし、逆に原作やアニメを見た時に、「冬獅郎が永山に見えた」って言われるくらいに(笑)ホント、そのくらいにもっていきたいですよ ね。とにかく、生身の声だったり、動きだったり、そこから何か伝わるものが出せればいいなって思って僕らは演じるので、原作の好きな人にも絶対観に来てほ しいと思います。

――再演に向けての意気込みを。

前回はアニメの声をちょっと意識しすぎてしまったかなと思うので、今回はそんなにしゃべり方ばかりを意識しないで、人間性を大事にして、心に秘め てるものを見せられたらいいなと思います。今回はイヅルも入ってくるんで、より冬獅郎のまわりも活気が出てくると思うし、もっといい冬獅郎になれるんじゃ ないかなと思ってます。みんなで力を合わせて前回以上に楽しい作品にしたいですね。