
――まずは初めに、自己紹介をお願いします。
土屋裕一です。東京に出てきて小劇場の世界を知り、当時入っていた劇団で出会ったメンバーと、演劇ユニット『*pnish*』を始め、現在に至ります。基本的に舞台ばっかりをやってますね。初めて参加したミュージカルは『HUNTER×HUNTER』ですね。その後ミュージカル『テニスの王子様』に参加して、今回のロックミュージカル『BLEACH』と、アニメミュージカルは3作目ですね。ジャンプフェスタのステージにも出演したので、そう考えるとアニメに関わる仕事は多いですね。
――『BLEACH』の魅力って?
原作の話になりますけど、言葉がすごく好きですね。例えば単行本の最初に、2行ぐらいの言葉が入ってるんですけど、それがすごいオシャレでカッコいいんですよ。普段の芝居でもそうですけど、特に原作のあるアニメミュージカルではそういう言葉の使い方や言葉尻だとかを大事にしますね。例えば共演者が、「叩き斬ってやる!」っていうセリフを「叩き斬ってやるぞ!」って「ぞ」をつけて言っちゃっただけでも、「その“ぞ”いらないよ!」って思ったり(笑)やっぱり、原作ファンの思いを崩したくないですから。だから今回、自分の役が京都弁で、ものすごく大変なんですけど(笑)
――アニメミュージカルと、その他のお芝居とでは、役づくりに違いはありますか?
アニメミュージカルは、まず原作やアニメを研究して、言葉の使い方だとか見た目を作るっていう、「形」から入りますね。感情だけではなく、「見え方」を大事にするのがアニメミュージカルなんだと思います。他のまずセリフを入れて、その中から生まれてきた感情をだんだん形にしていきます。180度違う作り方ですね。そういう意味で形から入ってそこに感情を埋めていくアニメミュージカルは難しいですね。
――今回の市丸ギンという役が決まって、役づくりで苦労した点はありますか?
まず、俺自身とは全く違うな、って(笑)そこをどうしようかって思ったんですけど、イメージはわかるから、雰囲気で勝負しようって(笑)それこそ「形」から入りましたね。立ち居振る舞いとかは理解できたんで。ただ、そこで「京都弁」がひっかかってきたんですよね(笑)これどうするんだよって。
――どうやって京都弁を克服したんですか?
前に土佐弁の芝居をやった時は、ビデオを見て研究したりしたんですけど、今回はそういった資料とかは使わないで、稽古場で京都出身のオサムちゃん(朽木白哉役、林修司)や関西出身のスタッフに質問したり会話をすることで覚えていきましたね。資料を使うのもいいけど、周りの人に生で教えてももらう方が絶対いいと思いますね。それから、普段から関西出身の人を注意して見てました。テレビを見ていても関西の人って多いから。関西弁ってすごくポピュラーだから、東京出身の奴にもアクセント注意されたりしましたね(笑)本番近くなってから「ほな、サイナラ」のアクセントおかしいよって言われて焦ったりしたけど(笑)
――今回、大阪公演もありますが…。
怖い!ホント怖い!(笑)でもそこだけにとらわれていちゃいけないなっていうのはありますね。多少おぼつかなくてもちゃんとギンになっていれば、特にギンを好きな人には受け入れてもらえると思ってます。
――以前から『BLEACH』は知っていましたか?
このお話があってから原作を読みましたが、面白いですね、ホントに。世界観がすごく面白いし、それぞれの関係性がうまく描かれてる。言葉がオシャレだし、カッコいいですよね。セリフで「面を上げろ、侘助」とか「射殺せ!」とか、カッコいいじゃないですか。
――前回の公演での印象に残ったエピソードってありますか?
稽古帰りに何人かで「荷物持ち」をやりながら帰ったことかなぁ。ジャンケンで負けた人がみんなの荷物を持つっていうあれです。そんな小学生みたいなことをやってましたね(笑)それでいつも達也(伊阪)が負けてた(笑)
――今回のインタビューで伊阪さん(黒崎一護役)が、初対面でいきなり土屋さんに「老けてるねぇ」って言われて「カチンときた」っと言ってましたが。
(爆笑)ありましたねぇ。
――「でも今は一番好きなのは土屋さんだ」と(笑)。土屋さんは、伊阪さんをどうのように…。
手懐けたか?(笑)なんだろう…俺が何かひとこと言って現場が和んだりすると、達也が「すげぇ」って言ってきて(笑)現場でのあり方、みたいなことなんですかね。芝居じゃなく、ね
(笑)まぁ、かわいい奴ですよね。すごく嬉しいですけど、それほど自分に自信がないので、そんなに頼られても…っていうところもあります(笑)頼られた時に、森山さん(阿散井恋次役)は「よし!」と上に立っていこうとするタイプなんですけど、俺の場合は「わかった…じゃあ…どうしようか…」って下がっていくタイプなんで(笑)頼りがいがありそうで、実はないんですよ。だからそういう点でも、冬公演はがんばらないといけないですよね。
――女性陣はどうでした?
来未子(雛森桃役)ちゃんはすごい恥ずかしがりやですね。DVDの特典映像を撮ろうってカメラを向けたら、逃げる逃げる。「俺、変態かよ!」って(笑)でもすごい真面目ですね。稽古場にも早く入って、自分のペースでしっかり稽古してましたね。美貴ちゃん(朽木ルキア役)は、打てば響くというか。そういう意味では怜ちゃん(井上織姫役)もそうだけど、とにかくバカなことが好きで、自分から進んでバカなことやってましたよ。そういう部分で、美貴ちゃんと怜ちゃんは似てますね。二人ともノリがいいし、楽しいですね。
――『BLEACH』の中で好きなキャラクターはいますか?
ギンですね。それ以外だと…剣八かな。自分のことは理解してるけどそれを押し通す男くささがいいですね。俺、男くさいキャラクターが好きなんですよね。
――ギンのどんなところが好きなんでしょうか?
どこが好きっていうよりも、好きになったっていう感じですね。自分の中で整理はついていたので、周りの役者に「ギンってホント嫌な奴だよな」とか言われれば言われるほどギンが好きになっていきました(笑)嫌な奴を演じるのって面白いし、役者としてやりがいがありますよ。ギンは、自分を見失わない強さみたいなものがありますよね。それは自分も良い意味で憧れますね。自分にはそういう部分があまりないので。
――再炎での、土屋さんご自身のパワーアップポイントは?
まるで他力本願みたいですけど、イヅルがくることによってギンの存在感がますますアップすると思います。自分としても楽しみなところですね。あと、少ないけど立ち回りですかね。改めてDVDを見て、もっとギンらしくできたかなっていう反省点があったので、そこをパワーアップできるんじゃないかなっていう…予感(笑)
――最後に再演に向けての意気込みを。
ロックミュージカル『BLEACH』って、役者がやるべきことが多い作品なので、自分を含めたみんなで力を合わせて良くなるようにがんばりたいと思いますね。
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