本当は、１日限定20個しか売り出さないというエリートあんぱんになるはずだったのに途中でこげてしまうなんて。パン屋さんが早く気付いてくれれば。そんなふうに思いながら「こげぱん」は今日もパン屋さんの片隅でひざを抱えてうずくまっている。
なげやりで無気力で無関心でおちこみやすい。なにかあるとすぐふて寝。後ろ向きなことばかり言ってしまう毎日だけど、パン屋さんの店頭に無事並んだ無邪気な「キレイパン」たちのお世話を焼くようなやさしい一面があったり、自分もどうにかお客さんに買ってもらおうと『おいしいぱんになるには』なんて本を読んだりして、たまに前向きになることも……。
主人公の「こげぱん」をはじめ、いろんな種類のこげ仲間たちが織り成すメルヘン作品。