新OP「シルエット」の裏話。
NARUTO疾風伝の600話が放送され、OPとEDが新しくなりました。
もう観ていただけましたか?
今回はそのOP「シルエット」の映像ができるまでのお話をしてみようと思います。
まだ観ていない方はぜひ、一度本編で観ていただいてから読んでくださいね。
今回のOPは、
画面キラキラ、アブノーマル配色、過去回想、タッチ作画、シルエット作画、筆文字などなど、
全体的に見どころばかりです。
いや本当に、手のかかっていないカットは1カットたりともありません…。
いろいろ詰めこまれていて、一度見ただけではとても全部分からないと思われます。
これはイメージボードです。
打ち合わせの時などに、完成イメージを伝えるために用意されるものですね。
拙者さんの絵コンテに、コンセプトデザインの藤井さんがデジタルで彩色をしています。
前半のオビトとマダラですね。
わざと本編とは違う不思議な色にしています。
昔の姿が出てきたりと対照的な2カットなのですが、
それぞれの表情にもこだわっていますので、よーく見ていただきたいです。
サビ部分の1カットです。
キャラのいない場面ですが、このカットも細かいところまで何度も撮影さんに調整していただきました。
後半のリンの場面です。
優しい光が当たっているような色の処理を全体的に入れて、淡い感じにしています。
イメージボードが作成されたのはこの4カットです。
私たちの間では「キーになるカット」と呼んでいて、
普通とは違う画面作りの代表格という感じの扱いでした。
普通と違うと言えば、
タイトルの出し方もこだわっています。
疾風伝が始まってから今までの名場面が次々流れるタイトルカット。
拙者さんがシーンをピックアップして、
(我々制作がそのお手伝いをして、)
撮影さんが当時のデータを抽出して、
藤井さんが撮影しています。
「NARUTO疾風伝」というタイトルが見えてからも、
実は後ろの名場面は止まらず流し続けられていたりします。
そうそう、この筆文字はお気づきになりました?
前の記事でチラ見せしたものです。
タイトルに使われていたのでした。
これを含めて14種類の筆文字をこなるとさんに書いてもらいました。
全部見つけられたでしょうか…。
こんなにありました。
右下に小さく見えるハナマルマークは拙者さんによるものです(^^)
本当は1種類につき2~3枚書いてもらっています。
実はコマ送りでも確認できない文字が少しあったりします。
(こなるとさんが自分の文字を全部見つけられないと必死に探してました笑)
これらの文字が一瞬浮かび上がる所にも、名場面がちりばめてあります。
中盤の、ナルトの回想~タッチ作画のシーン。
この2カットは鉛筆で描いたタッチをそのまま画面に出しています。
最初は普通の線になる予定でしたが、
拙者さんが音楽を聴いてギターの走り具合にノリノリになり、
コンテがいつの間にかタッチ作画になっちゃったそうです(^^)
それで、いっそ漫画のような画面にしようと、黄ばんだ感じになっているんですよ。
そんな音楽との親和性も感じていただけたらと思います。
終盤の、手を差しのべるナルト。
なかなか先の展開が気になるシーンだと思いますが…
あえて後ろの人たちに注目してみたいと思います。
これは原画です。
完成映像だとちょっとボカしてあるのですが、
こんなにびっしり描いていました。
でもその中でも一部、ナルト(と子供オビト&リン)に隠れて見えないところがあるんですよね。
このあたりです。
サクラちゃんや綱手様もちゃんといますよ!
イメージボード、筆文字、原画など載せてきましたが、
最後に作監修正を公開したいと思います。
最初のカットです。
格好良いですね!
このカットだけは甲田さんがデジタルで修正しました。
作業効率によってアナログとデジタルを使い分けていらっしゃるとか。
ナルト、ミナト、九喇嘛、そしてマダラ以外のキャラは顔に細い光が当たっています。
(チャクラモードやリンクモードだと自分たちが発光しているので、光の影響を受けないのです)
ここもキャラごとに、普段とは違う色づかいになっていましたね。
公開できる資料などは以上になります。
まだ色々と話し足りないような気もするのですが、
ご覧いただいた皆様なら、あまり言わずとも分かっていただけるのではないかと思っています…。
きっと観るたびに違う発見がある映像になっていると思いますので、
何度も楽しんでいただけたら幸いです。
と、あと一つ重要なことがありました。
ここまで読んで下さった方にお知らせです。
このOP「シルエット」ですが…
DVDバージョンが存在します。
大きく書いてしまいましたが、別に絵が変わるわけではありません。
ご覧の通りこのOPはところどころキラキラしていまして、
放送用に調整しているカットがいくつかあります。
それがDVDでは全てありのまま収録されるということです。
まあ規制解除といえば聞こえはいいのですけど、
何がどう変わったか、たぶんパッと観ただけでは分からないレベルです(^^;
ちょっと光加減が増えたり減ったりしているくらいでしょうか。
(なので、期待しすぎないくらいがちょうどいいかもしれません)
ああでも、マダラさんのとあるカットは一部の色が変わるので、
マダラさんファンの方には面白いと思っていただけるかも…。
(いやっ面白いじゃなくてカッコイイと思って頂きたいですけども!)
(ラッシュチェックでみんなで観た時、一部に大ウケでした…)
とにかくそんなに劇的に変わるわけではありませんが、
DVDに収まる方が、本来作りたかった映像ということになります。
ですので、気になる方はTV版の録画を残しつつ、
DVDもチェックしてみてくださいね。
それでは、今週は601話放送です。
これまでも、これからも、NARUTO疾風伝をよろしくお願いいたします(^^)
劇場版もありますし…まだまだお楽しみがたくさんです。
制作:赤メガネ